意識の境界/夢

意識とは何か

現在とは何か

認識するとは何か

私はこれらについてよく考える

より正確に言うならば考えざるを得ない

 

私は度々現在から程遠いところに存在する

例えば、私はよく夢を見るのだが

それは往々に酷い悪夢である

その世界の殆どは私の過去で形成されている

即ちどれもこれも一度は体験済みなのである

夢だなんて疑いようもないほど精巧な世界

もはやその範疇を出ない領域に於いて

体験する全ては現在であり過去であり未来である

怒声の響きやその時感じる驚きと不安、

殴られた時にじんわりと広がる熱と痛み、

首を絞められる時に感じる殺される恐怖感、

全てを相手に支配され、

自分の境界に侵入される屈辱と無力感、

その全てがリアルなのだ

 

時々意識が飛び、記憶が無くなることもある

何がなしに湧き起こる激情の前後を覚えていない

または過去の重い出来事が記憶から消えることも

結局これらは病気のせいだと分かった

いや、分かっただけで何も解決していない

不安定な自己を未だ抱えたままである

まるで誰かに人生を盗まれている感覚がする

それがとても不快である

 

私の人生は私のものである

いくら私の尊厳を汚し、屈辱の日に晒そうとも

私は屈辱の快感には溺れないし、

惨めな過去を舐めるように愛でる真似もしない

それを理解している私はとても強いのだ

強い私は誰にも屈しない

 

さあ、強い私よ

やおら起きて朝ご飯でも作りなさいな

食べなば強きも失うぞ

 

P.S. 暇なので雑な文を書きました。感染症の影響で大学や仕事やバイトがめちゃくちゃで大変ですね。

私も稼ぎが減り、会いたい人に会えず、散々です。

しかし悪いことばかりでもなくて、元恋人を引きずっていた私ですが、最近好きな人が出来て一喜一憂しています。結ばれるわけのない人を好きになり悲しい恋なのですが、そばにいるだけでも幸せです。

皆さま、体調にはお気をつけて。

 

 

 

自分で死を選ぶということ。

1月9日、私は過量服薬で自殺を図った

結果から言えば死には至らない量であった

しかし量は多かったので酷い中毒症状を起こした

それは頭がぼーっとして足取りがおぼつかない

という状態でそれが2日ほど続いた

 

私は小さい時に2番目の家族を亡くしている

私と母を抜いて父と祖父母が首吊り殺し合って

一家心中を図った

思えばその時分から私には死が近くにあった

死後の世界なんてものを考えて死を恐ろしがった

しかし実際に死を選択する時

死に関する一切の憂慮などなかった

 

 

しかしこうして元気になった後で

医者、看護師、友人、教授などから心配された

たくさんの励ましの言葉をいただいた

周りの人は案外優しいから頼って欲しいと言われた

しかし私はこうして広大無辺のネットの海に

気持ちを吐露すること以外では

全てをまた抱え込んでしまうと思う

人に極端に頼ることが怖いし頼り方を知らない

未だに人々は裏で私を忌み嫌っていると思う

愛が欲しいと子供のように喚いているのに

私はきっと人々の優しさを無為に拒んでしまう

誰にも心を開けない

 

結局自分で死を選んだとしても

死ねるかは誰にもわからない

そして死んで、または死のうとして

初めて人から心配される人もいる

私がそうだ

誰も私が抱えていることなんて知らなかった

だから私のような人間が心配されるには

つらい気持ちに気付いてもらうには

一人で抱え込まないようにするには

きっと死を選び続けるしかない

死のうとしないと誰からも気づいてもらえない

そうして生き残ってしまった後で

なんの問題も解決されていないことに気づき

私はまた絶望する

助けが必要なのに死を選ばないと助けは来ない

そして死んでしまえば何も感じられないのに

人々は誰かが死んで初めて最良の優しさを示す

私にはそれが初めての優しさだ

今回たまたま死ななかっただけであり

本来全ては死んだ後なのだ

人の優しさも温もりも愛も

私がいなくなった後で与えられる

私は再び絶望する

なんて寂しく酷薄な世界なのだ

誰にどう説得されようと

私には誰もいない

誰も私の周りにいてくれない

死を選び続けない限り誰もそばにいてくれない

これが現実なのだ

そして死なないと問題は解決されない

寂しさも

醜い愛着障害

病気も

LGBTQという少数派でいることも

レイプされた過去も

虐待された過去も

体を売った汚い過去も

全てのトラウマも

これから来至るつらく悲しい出来事も

私の中に残ったままだ

 

今回は死ねなかった

まだ問題が山積みだ

 

 

最近の私

近頃、私は少しずつ変わり始めている

それは空から雨が降ってくるような

自然に起こされたものではもちろんなくて

私が変わろうとしているからだ

 

私は以前とても弱かった

か細い木の枝の方がまだ頼り甲斐がありそうだ

と感じさせられる程には弱々しかった

精神が安定せず大酒をあおったり

自暴自棄になって腕を切ったり

薬を大量に飲んだりしていた

人に沢山頼り迷惑もかけただろう

誰かといないと寂しくて空が落ちてくるようだった

しかし、最近は落ち着いている

未だ強くなったとは言えないだろう

でも、そうなろうと努力している

 

精神が落ち着いたことは数多の幸福をもたらした

一番嬉しかったのは食べ物に味を感じることだ

以前は味覚がまるで働かず

モノクロのような世界が広大無辺に広がるだけ

何も感じない

だが空腹なので食べれば充足はそこにあった

それが食事の動機であった

しかし今は味がある

それが嬉しくてたまらない

そうなると少しずつ生活が豊かになっていった

以前はままならなかった趣味を愉しむことができる

嗜好品を一つ増やしてみた、煙草だ

香り、風味、ああなんと満たされていることか

これもまた一興だ、そう思った

紅茶も再開した

美味しい、あれもこれも試してみたい

とにかく白黒の生活に色がついたみたいだった

 

拒絶していた仕事も受け入れるようになった

なんて事のない在宅ワーク

知人は誘ってくれていたのに

私は余裕がないと長い間断っていた

しかし今は少しずつこなしている

まだ私は労働ができる状態ではないと思うので

これくらいが丁度良い

薄給で仕事内容も詳しくは教えられないが

とにかく今は出来ることをしたい

 

ところで、私にはせねばならないことがある

学び勤めることだ

後期の言語学の発表は既に終えた

これで数学や物理に心血を注ぐことができる

しかし一方で専門の研究は暗礁に乗り上げつつある

どうやらドイツ語の意味論や統語論

必要ならば古いドイツ語まで学び

その上で茫洋たる分析を行う必要があるらしい

院試をどうするかも考えなくてはならない

いやはや、人生はやはり安定しないものだな

 

 

 

 

 

 

限界

私はもう限界らしい

何もかもうまく行かなかった

残されたチャンスも少なくなってきた

私が何を上手くできなかったか

私に何の興味もないあなた達は知らないだろう

私が大切に思っていた人々にとって

私は何でもなかったことを知った

だから君達もまた

私が何に苦しんでいたか知らないままだ

本当は誰も何も知らない

誰にも理解されなかっただけだ

誰も余裕がない

誰もがつらい

だから皆誰かに寄り添い合うのだが

私だけは輪に入れなかったな

誰も寄り添ってくれなかったように思う

仕方のないことだ

この世は除け者を必要としている

除け者がいなくなればまた次の除け者を探し

同じところをぐるぐると回る

今回は私だった

それももう終わる

さて、次は誰の番かな

 

 

 

くだらないもの

1ヶ月ほど前
全く瑣末な事から
実父と会うことになった

互いの連絡先を知っていたので
それで連絡をし合い
会う場所や日時を取り決めた

彼は仕事が忙しい
会うのは真夜中の個人経営の焼肉店
連絡を取り合って2日後だった

会うのは何年ぶりだろう
緊張しながらそう想いを馳せて
私はそこへ向かった

遂に会った
相変わらず話の入り口は
私が母に似ていることだった

髪が伸びてボブくらいの長さがあるから
若い時の母さんそっくりだな
と彼は笑った

造作ない
限りなく平易な話をお互いにした後で
私は少し重い話をし始めた

2、3番目の里親のこと
レイプされたことや援交していたこと
精神が不安定であること

しかし彼は全く動じなかった
或いはそうであるように振る舞った

そうして互いに十分話し合い
互いの現状を折り紙のように
1つ1つ丁寧に飲み込んでいった

そして彼は忽ちこう言った
お前とはもう家族ではない
と何かを含むように

これが意図するところは
紙面上の話であった
矢庭なことで私は驚いた

紙面上では家族ではないが
私達は確かに親子だから
いつでも頼って来なさいということだった

私はこの人を信じ切ってはいないので
当然こんな言葉など
腐る程聞いたわと鵜呑みにしなかった



しかし全くわからないものだ
紙切れで簡単に終わる家族
それは一体なんだ

もう私達は
社会に家族とは認められない
認めてもらう証拠を失っているのだ

そこには
間主観性しかないのだろう
これは世にも悲しいことだ

母と父はもう家族ではなく
互いに違う家庭を持っているらしい
私には現状を知る術も帰る場所もない

否、どこにもいたくないのかも知れない
紙切れで家族が生成したり消滅したり
こんなくだらないところなのだ

誰かが書いた色んな紙切れのせいで
私は何度も家族を変えられた
一切の了承も得ずにそれは行われた

私の意思とは関係なく
凡ゆる私に関することが
他の誰かによって決められる

それは往々にして
社会という強大な存在の元で約束され
権力の前に私は為す術を失くす

社会的に家族とは見なされない
そんな関係であっても
時に連帯責任を負わされる

全て紙のせいだろう
いつからだ
こんな馬鹿げた制度があるのは

しかし面白くもあるものだ
その紙で
幸せになる人も不幸になる人もいるのだ

私は不幸か
今では帰属意識さえ存在しない
家族というものがわからない

地に足ついた関係
これをどれほど望んだだろう
ニセモノは嫌なのだ

しかし身も蓋もないがどうでもいいことだ
私は常にふらふらしている
それで良いではないか

僅少な心情変化に突き動かされて
あっちへ行ってこっちへ行って
今日はこの人明日はあの人

全く愉快である
今が良ければ世は事もなし
天下太平である


この世は紙の話ばかりだが
己の人生を紙で縛られてはならんのだ
そんな気がするのだ、藍緋

傷と健忘

人は
彼が本当に人であるならば
心に嘆き悲しむ秘密の囚人を抱えている

例えばあなたの友達
同じ部屋で授業を受ける知らない人
たまに見かける綺麗なお姉さんやお兄さん

彼らはみな人であり
人であるからこそまさにその何かを抱えて
なおも毎日平常に振舞っている

私も同じだ
私は人で心の囚人が泣いている
私は生きている人なのだ

私には怖いことがたくさんある
例えば孤独
これは一筋縄でいかないタチの悪さを持つ

これは時に実存から剥離して独り歩きする
周りに人がいてもこれを感じる矛盾
要因の実存よりも経験が先立つためだ

人の存在はさして関係ないのだ
寧ろ過去の見捨てられた経験にこそ
その真価は悪しく働く

精神的に疲れている時
普段は秘密の囚人が対峙している過去が
感情の表層に現れる

そこで初めて寂しさや孤独を感じていると
自身は気づき悟る
次にはそれに苦しめられる

このようなネガティブな出来事は
まるで隣町に住んでいるかのように
私の心に足繁く通い影響を与える

他にも怖いことがある
大きな音、怒声、人が多い場所、人前
性行為、男性、力、枚挙に暇がない

俗に言うトラウマを沢山かかえた
とてもとても面倒な人間である
全く双なきほどである

私にはとある大きく
それはたいそう醜悪で下劣でおぞましい
過去がある

平たく言えば性行為関連なのであるが
それにより男性恐怖症になった
今は秘密の囚人が守ってくれている

きっかけはそのとある過去なのだが
原因はさらに昔にあった
様々なことも含まれる

従兄弟、友達、友達
戸籍上は男なのだが...
本当に運がなかったのだろうか

明らかには述べないが
慕っていた男友達に大変酷いことを
数時間にわたって行われたのだ

一にも二にも思うことは無限にあって
まとめ上げることは至難の技
私には荷が重すぎた

私はとても愚かなので
何かが起きても動揺したまま
本当に何もせず日常を過ごそうとする

愚かながら冷静な分析が好きなのだが
今とても精神が不安定なのはそうした
動揺の積りが原因なのだと思う

否、私は愚かではなかったのかもしれない
そうするしかなかったのだ
私は噤まざるを得なかったのだ

それが起こったのは高校2年の冬だが
健忘の期間を含めた3年の時を経て
今とても苦しい想いをしている

振り返れば悔しさと怒りと羞恥ばかり
何故このような目に合わなければ?
何もできなかった...

相手は180cmほどの大男
大して私は165cmほどのひ弱な少年
力の差は歴然だった

彼は前から後ろから
私の意識が朦朧とし動けなくなるまで
何度も首を絞めた

暴れるので殴られた
段々意識が遠のいて行く
暴れられなくなった

体を押さえつけられて
意識は混濁
何も考えられなかった

ただ恐怖しかなかった
空気を吸って少し意識が回復しても
私は動けなかった

苦しい、痛い、息ができない
酷いよやめてやめてやめて怖い怖い怖い
痛い死んじゃう!

これの繰り返しだった気がする
涙と唾液と血液と体液でぐしゃぐしゃ
気づけば夜だった

放心状態だった私を
心配して起こしてくれたのだ
時間をかけて優しく

私は忽ち混乱したためあまり覚えてないが
彼が抱きしめてくれたのは覚えている
ひたすら耳元でごめん、と

こうして私という個を完全に否定され
そこに人権も囚人もなく
私は欲と優しさで身体を弄ばれたのだ

これは即ち最高の屈辱である
凡ゆる感情で空は紅蓮に染まった
気が狂った

これにより私は自分を安売りし始め
染められた色を確認しながら体に何度も
均等に染み込ませていった

そうすることでこれを私の一部とし
全てを掌握した気になれたのだ
これしか方法を知らなかった

しかし僕のような醜いやつとして
えらく快楽を得て支配欲を滾らせた
男達が耳元で喘ぐ声は何よりも不快だった

この一連の出来事が一年以内に行われ
センター試験が始まる1ヶ月前まで
恐ろしく活発に続いたのだ

しかし問題はもっと単純だろう
男友達から暴行を受けたこと
好きで慕っていた大好きだった

こんな裏切りがこの世にあるだろうか?
聞けば強姦事件の加害者と被害者が
互いに知人であることはよくあるらしいが

私はこのように裏切られた後で
誠実な謝罪を受け
その人を許してしまった

きっと秘密の囚人は異を唱えてくれていた
だが私はそれを無視して
関係はずるずると長引いた

結局囚人か何かに突き動かされて
私が逃げ出す形で
この件は表の舞台から姿を消した

私はつくづく間が抜けている
もう後悔しかない
しかしやり直すことはできない

時折彼を求める声がする
最早病的だろうか
彼が恋しいとさえ思うのかもしれない

これはストックホルム症候群だろうか
彼が憎いのだが恋しい気もするなんて
常軌を逸している

しかし彼はとても良い人だった
私はそんな彼との思い出を否定したくない
従ってまた自分を責めるのだ

自分のどこが至らなかったなんて
わかるはずもないのに
私が悪かったごめんね、ごめんね、と

私は誰もこの苦しみを理解しないと考える
それで良いのだ
これは私が一生抱えるべき苦しみ

きっとすべて私がいけなかった
そう思うととても楽だ
でも本当にそうなの?

やはり孤独に感じる
私は悲しい
私は不安で仕方がない

私はこの先も私が悪いと言い続けるのか
私は何故苦しむのか
人はなぜ私を傷つけるのか


この出来事を思い出した大学2年秋頃
私は何を思い出しているのか
全くわからなかった

事実を認識し
起こったことしたこと全てを
整理し終えたのは年が終わる少し前だった

年が明けてすぐ
私は友達に打ち明けてみた
彼は驚いた

しかし過去に起こったことは関係ない
なし君はなし君だよと言ってくれた
実は度々思い出しては救われている

その後何人かに打ち明けた
この半年の間に
少しは楽になるものだと驚いた

私は過去の呪縛に囚われ
また同じことを
ネットで知り合った男と寝ようともした

別の友人が止めてくれなければ
もしかするとまた
あの暗黒に回帰していたかもしれない

私がしばしば悪夢で魘されるのは
このせいなのである
毎度毎度心にくる

今はこういった自分を
少しでも受け入れられるよう
努力している

それしかできないし
憎むだけではいけないのだろうから
私は成長したのだろうか

言語学の発表を終えて...

久しぶりにブログを書いている

また色々起きたのでブログの気分なのだ

人生はいつも何か起こるので飽きないね

 

今日はとても大きな出来事があった

数ヶ月努力して遂に完成させたもの

言語学の原稿を発表することができた

 

先生にはよく勉強していることが伝わり

テーマや目の付け所が非常に奥深く

膨大な量をよく纏め上げたと褒められた

 

その一方で

量が多すぎて発表には向かないこと

もう少し要約しようと助言された

 

発表時間が20分であり

半分も発表することは不可能なことを

知っていたのでその助言は少し痛かった

 

しかし、とにかく悪くは言われなかった

これが一番素晴らしいのだ

心が弱い私にとって何よりの収穫である

 

なぜならば

原稿作成は私を酷く悩ませた

生活に大きく影響を与えたからである

 

今年の1月に2年後期分の発表があった

しかし準備が間に合わず

これを断念した

 

その時私は不甲斐なさや自身の至らなさを思い知り、そして早くから準備をしていたが間に合わなかったことを恥じた

 

また努力を周りに知られることなく

ただ終わらなかったとされることや教授から失望されることが耐えられなかった

 

もちろん失望などされていなかったが

当時の私は他のことで心が乱され

正常ではなかった

 

自殺してしまいたいと

否、すべきであると思い実行に移す

その手前までに落ちぶれていた

 

ので、今回発表できたことはまた

過去の自分の努力を褒め称えること

でもあるのだ

 

 

発表のテーマを述べてみよう

英語とドイツ語に関する定冠詞の分布

である

 

出発地点はとても素朴であった

同じ表現でもドイツ語には冠詞がつき

英語には冠詞がつかない名詞が存在する

 

例えばgo to schoolとzur Schule gehen

がそうで意味は<学校へ行く>である

これはschoolが施設名詞だから起こる

 

もちろん先の英文に冠詞を付加して

go to the schoolということも可能だ

しかしそれは範疇の概念上非文となる

 

文法上は可能であるが

それはもはや単に学校へ行くのではなく

何か特別な指示された学校を意味する

 

go to schoolという表現は特別であってはならない

ただ学校へ通う、それだけなのだ

 

同じく前置詞句の縮約を行わず

zu der Schule gehenは可能であるが

この際も先よりも特別性を含意する

 

すなわち施設名詞に関して

英語の冠詞の有無はちょうど

ドイツ語の定冠詞の縮約にあたるのだ

 

他にも面白い概念がある

「弱い定」と呼ばれるものだ

例は次の通り

 

Have you already read the news paper today?意味は<今日はもう新聞を読んだ?>である

 

これが面白いのだ

なぜなら定冠詞theが付加されているが

そこに任意性を多分に含むからである

 

つまり、どの会社の新聞でも良いのだ

朝日新聞The New York Times

die Süddeutscheでも関係がない

 

統語論的には明らかに文は定である

恰も<その新聞>を指していると感じる

しかし意味論上では不定なのだ

 

その証拠にHave you already read a newspaper today?と不定冠詞に変えても意味の違いはさほど感じられない

 

ドイツ語の場合はどうであるか?

Hast du heute schon die Zeitung gelesen?で先と同じ意味である

定冠詞dieが付加されている

 

しかし<読む>という動詞lesenを

自動詞としてin~ lesenとして見ると

面白いことが起こる

 

Hast du heute schon in der Zeitung gelesen?見てくれは似ているが前置詞句内の定冠詞の縮約を行なっていない

 

こう言うと、かなり特別な意味になる

つまり<あの新聞を>というニュアンス

を含むのだ

 

これらが弱い定と呼ばれるもの

統語論的に定で意味論的に不定

何とも興味深いではないか

 

これらの他にも普通名詞と固有名詞

総称名詞、一意名詞、抽象性、グループ名詞、形容詞+固有名詞構造などがある

 

そして私は重要なある性質に出会う

英語は無冠詞の名詞により寛容である

つまりドイツ語は定冠詞をより付加する

 

定冠詞の分布の問題は次に帰着する

即ち普通名詞と固有名詞の境界線

である

 

そして今日ではこの明確な境界線は

未だ見つかっておらず恐らく

見つけることは不可能である

 

しかし、先の性質は非常に有用である

私の調査の理論的な裏付けを取るから

そのことに尽きる

 

私の調査とはベオウルフという

最古の英詩を用いたもので2言語に加え

古英語の定冠詞の出現頻度を見る

 

これは私の仮説によるものである

まずドイツ語の冠詞は英語のそれと違い、文法性と格の機能負担を持つ

 

よってその分冠詞の文法負担が上がり

ドイツ語では冠詞が文中で必要となる

というものである

 

膨大なページ数であったので

自分で節を決め定冠詞を数え上げるのだ

しかし古英語でこれは容易でなかった

 

古英語は指示代名詞から定冠詞を

作るため両者の見分けがつきにくいのだ

加えて語順が滅茶苦茶であった

 

しかし調査の結果

ドイツ語が一番定冠詞の出現頻度が高く

古英語が最低となった

 

古英語の名詞の文法性はランダムだ

ロシア語のように見分ける術が殆どない

この点はドイツ語と同じである

 

また格は屈折語尾を付加して示す

<家>という意味のhūsについて<家に>

は格語尾-eがつきhūseとなる

 

面白いことに殆どの場合主/対格は一致

例えば、Ic cwielme mīnan frēond(I kill my friend)とMīn frēond cwielmþ mē(My friend kills me)

 

frēond(friend)は主/対格で形が一致する

これは男性名詞であるが女性名詞でも中性名詞でも原則一致する

 

しかしその他の格は語尾を付加する

よって定冠詞が無くても格がわかる

現代ドイツ語では事情が異なる

 

単数男性/中性名詞属格語尾-es

複数男性/中性名詞与格語尾-(e)n

以外は格語尾は消滅している

 

よって格を識別するには冠詞と語順

これらのみに依存する

しかし冠詞がないと問題が起こる

 

V2語順というルールがあるために

前後の名詞の格関係が明らかにならない

Anna tötet Schmidtがいい例である

 

Annaが殺したのかSchmidtが殺したのか

英語では主語が原則前に置かれるので

この心配はない

 

このような事情のため冠詞が不可欠

だろうという仮説を私は立てた

論理的な証明ができるかは不明である

 

今後の方針で私は古高ドイツ語に

興味があると述べた

これもまた趣深い言語なのだ

 

私には他にも数学や物理など

学びたいことがあるので、あれこれするのは厳しいことを確かに自覚している

 

しかしこれはまた将来に関わる

重要な足場作りでもあるために

取捨選択は慎重に行わねばならない

 

加えて、私は精神が弱い

特にここ最近はめっきり弱くなり

廃人になりそうな勢いをも含んでいる

 

人生に対する茫漠とした不安感

上手く行かなかった末を考えた際の

荒波の如く押し寄せる絶望感

 

私はすべてすべてに命をかけている

この絶えてしまいそうな炎を

絶やさないように必死なのである