Peaky man

 

先日、誕生日を迎えた

歳を取ること自体もそうだが

人生が相変わらず向上しないまま

歳月のみが過ぎ去っていく

大人になるという事はこういう事なのだろうかと

日々の中で痛く感じながら

『生』という吊り縄にしがみついている

 

 

 

 

広大無辺な人生という原っぱにおいて

問題は山積している

まず私に残された時間は少ない

研究者として生きる為の寿命も然れば

大学の在学上限も首の皮一枚だ

そして私にはお金がない

全く社会階級というのはどこに行っても厄介だが

笑えぬほど最下層出身で身寄りのない自分には

当然だが今までもこれからも

進学の出資者なんていないので

これもまた問題である

ないこと尽くしである

 

また、病状が芳しくない

私が患う複雑性PTSDという病は

心と体を餌として私を蝕んでいく

毎日のように見る悪夢

過去の生臭い記憶 

理不尽な暴力どもが支配する

血溜まりの匂いが鼻につく過去

大昔に存在した私を蹂躙する悪魔達の夢

それはいつも

『死にたくない!』とか

『痛い!怖い!誰か助けて』

という実存的恐怖を与えて私の目を覚まさせる

毎日仕事から帰ってくる度に

今日だけは穏やかな眠りが訪れるように

神様に祈って

時々は平穏に終わる

でも大体はあいつらがやって来る

夢の後は恐怖に過敏になる

例えば、家を出る時に思う

あいつらが私を追って遂に辿り着いて

このドアの向こうに潜んでいたらどうしよう、とか

職場付近で男性の怒鳴りが聞こえたら

体が硬直して動けなくなる、とか

実際に職場やその付近で

知人男性と知らぬ男性組に

今年に入って2度も暴行を受けたが

『クソ!死ね!2度と被害者になんてならへん!

やり返してやる!舐めやがって!』とか

色々思っても体は石のように動いてくれない

と、例を挙げれば暇がないわけだが

このようにして日常の何もかも

私の全てが侵されていく

きっと誰にも理解してもらえないし

私は辛かった何もかもを独りで抱えて

墓場まで持って死んでいくつもりだが

最近は心が弱っているのだろうか

時々思ってしまう

誰か助けて、とか

子供みたいに誰かに泣きついて

あの時の恐怖をありのまま

辛かったこと全部を吐き出して

楽になってしまいたい、とか

くだらない事を

しかし、一体誰がそんなことを許すだろうか

私は今までもこれからも助けてもらえない側にいる

幼少期から一体どれだけのサインを

助けが必要だと示す言の葉を

周りに紡いできただろう

そして何度も無かった事にされてきた

一方で、周囲に悪びれもなく助けを求めて

そして嫌な顔ひとつされずに助けてもらえる

そんな人間もいる

この世に蔓延る格差の一形態なのだが

これを是正する事は不可能なので

自分を変える方が楽であった

即ち、恰も初めから助けなんて要らぬほど

強い人間を模した芝居に興ずるのである

現代の思想に反旗を翻すわけでもないが

私は仮にも男なのだから

全て抱え込むのも男の仕事だと

割り切って強かに生きるべきだ 

誰にも縋ったりしない

しかし、心は確実に腐っていく

私の中身が啄まれ腐食していくのを感じる

『何もつらい事はないし、すべてがつらく感じる』

というアンビバレンス、心理学的感覚のエラー

他者に助けを求めてはならない、と

誰にも頼らせてもらえなかった者は

どんな理不尽もただ一身に受け入れるしかない

その結果がこのエラーであり

心身の腐食であり

私の人生なのだ

この社会で生きることに嫌気がさす事くらいは

許して欲しい

 

 

 

 

突然だが私の目先にある夢は大学院進学である

最近何故か将来についてしばしば聞かれるのだが

根本の部分で夜職が大嫌いで向いてないので

近年中に辞める予定ではある

こんな事に続ける価値は無いと私は思う

私はとにかく大学院で言語学を専攻すること

これ以外のことに全く興味がない

私はこの為だけに文字通り血反吐を吐きながら

泥水を啜る想いで耐え忍んで生きてきた

とても興味深くてまだ誰も研究した事のない

大域的で様々な分野を含む研究テーマを抱えている

言語類型論・意味論・語用論・統語論を跨いで

英語・ドイツ語・イタリア語を筆頭とした

欧州言語全般に普及する定性効果を共時・通時的に

調べ上げたあとでスラブ諸語やセム語系に適用して

定性の本質を世界規模で探索していく

私にはこれが面白くて仕方がない

先に示した通り、私にはお金がないので

こんな事は夢のまた夢であればまだ良い方なのだが

とにかく臓器を売ってでもお金を稼いで

いつか進学したい

私に残された唯一の希望であり

戦時中の食糧難の時のように

この夢に縋りついている間に訪れる

刹那的な安寧を

少しずつ大事に噛み砕いて

息を繋いでいくしかなさそうだ

Whether it comes off or not...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

犠牲味のパン。

梅雨が明けると耳にしてから

次第にその様相が激しくなる、富山の雨天。

もう7月なのにって

 

7月----

 

最後にブログを書いたのは去年の7月でした。

実に1年ぶりの書き込みに驚いています。

この1年間もまた、動乱の時を刻んでいきました。

でもこうやって、小さな死を繰り返して生きるしか、

自分はそんな生き方しかきっと知らない、

そんな生き方が自分にこそ相応しい、と思います。

 

これはほんの1年分の概略日記です。

 

8月頃、少し交友のあった男性に、恋愛関係になる事を持ちかけられて、同性愛者でない私は柔らかくお断りしたのですが、そこからモラハラとストーカー行為に走られてしまいました。俺は毎日これだけつらい思いをしているが全てお前のせいだ、責任を取れ、家は知っているからお前を殺しに行く、など、鬼電と家凸にとにかく気合が入っている方でしたね。鳴り響くインターホンに頭がおかしくなってパニックで自分の頭を殴りつけて泣き出したりと大変でしたが...しばらく家に帰らない生活をしていたら今は音沙汰が無くなりました。安心。

 

9月頃、職場の三十路90kgオーバーの死ぬほど好きでない女性に私と付き合え!と包丁を振り回されて目の前でリスカレグカで血の温床...付き合わなければ職場を辞めてやると言われて付き合ったが、結婚するだの私の親に挨拶に行こうなど(実際に千葉まで行きました)と言い始め、次第に体型に比例するが如く態度も大きく粗暴になっていき、毎日暴言を吐かれていました。

5ヶ月耐えましたが、洗脳自己暗示生活もそろそろ限界でしたので3月に別れを告げました。彼女にはしっかり生きて欲しいですね。

 

11月頃、経済的援助をしていた親戚からの要求金額が日増しに多くなっていって50万が今すぐ必要だという旨を聞いた後、示談に入って結局離縁しました。何か温かいものを信じていたので悲しかったですが、お金で繋がる関係にろくなものがないなんて当然でした。

 

3月末で2年働いた会社を事実上の退社という形で辞めました。4月から大学に復学する為だけに1番の資金源を足切りしたのですが、これは英断であったと思っています。

 

4月から大学に復学しました。2年ぶりの大学。普通の若者が普通にひしめき合うその光景に懐かしさと動揺を感じていました。専門の授業、卒論研究に関してはまあまあの出来ですし、以前の自分に比べてその能力が衰えてるのではないかと心底不安でしたが、杞憂でした。新しい知識を得ることに格別の快感を覚えます。9月までの目標は、語学分野ではイタリア語の習熟度上げとスペイン語の文法、言語学分野ではブール代数から様相論理への発展、S4公理からの位相的意味論の導入を学ぶことです。(ウガリト語や他の言語も少しできたらいいな...)

何を言っても9月の卒論中間発表は大前提なのですが、自分のペースを大事にしたいです。

 

6月上旬に、1年半働いていた夜の職場を辞めました。上に書いた女性の件、あまりにも長すぎる労働時間、そこで働いた為に患った胃潰瘍などの臓器の不調を全く考慮されないなど、辞める理由は十分にありました。これは、自分の人生の中で最も賢い選択の一つだと思います。

 

7月1日から、ヘッドハンティングという形で友人が経営しているお店で社員として働くことになりました。以前の職場と比べると全てにおいて文句なし、と言ったところでしょうか。(ただ、以前の職場の上司が因縁を付けてきてこちらを潰そうとしてくるのが怖いところですが...夜職って本当に怖い...)

週5出勤が契約なので、勉学をしながら仕事もこなしていきたいものです。

 

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去年の7月から色々な事が変わりました。

自分で様々な決断をしてきました。

これからも色々な選択をしなければなりません。

できることは、精々が青い強さを祈り続けること

祈るその手で、小さな死を綴り続けること

いつかきれいなものが手に入れられるか

全くわからんが。

一度失ってしまったものは、二度と戻ることはない。

 

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相変わらずのPTSDっぷりで、日中のフラッシュバックに昼夜問わずの過覚醒がエゲつねぇわけですが、毎日がお天道様に感謝しとりやす、という事でこれからも頑張って生きます。

もしかしたら、はららかな希望が、ほんの少し、でもまだ残されているかも知らないので。

 

懺悔

こんなもの誰も見ないだとか

読む人で何のことかわかる人は少ない

そう思ったので後悔と懺悔をここに記す

或るとても大切な友達へのお話

 

 

 

君と縁が切れて一年ほど経つらしい

未だに思い出しては涙を流している

約束を破ってごめんなさい、と

伝わるまで謝りたい、許されるなら、何度でも

 

君がいなくなった時

恋人と別れた時のように苦しかった

全て自分のせいなんだけど

だからこそつらい、とてもつらい

君、初めて自分の過去を話そうと思えた人

過去を知っても友達でいてくれた君

優しい言葉を沢山かけてくれた君

あんなに迷惑をかけたのに

それでも一緒にいてくれた君

特別な存在である君と交わした約束ひとつ守れず

言葉も見つからない

愚か者という言葉が似つかわしい

今では君と連絡を取る手段もないし

何より、あんな事をしでかして

君と話したいなんて思うことが図々しい

約束は約束だ

 

でもできることなら

あの冬の日々にもう一度戻りたい

君が会いに来てくれたあの日に戻りたい

今度は僕が会いに行くねと約束したのに

軽忽な僕のせいで台無しにした

全部が夢であって欲しい

 

他の事なら何だって耐えてみせるから

君だけは、と何度神に祈っただろう

全て、叶いはしない事を知っている

もう君は、遠い世界にいる

僕は永遠に近づいてはならない

こうする事の他に償いようがあるだろうか

 

 

あの時、声をかけてくれてありがとう

一緒に勉強してくれてありがとう

温かいレモネードを買ってくれてありがとう

一緒に話をしてくれてありがとう

一緒に帰ってくれてありがとう

一緒にポテトを食べてくれてありがとう

一緒にお酒を飲んでくれてありがとう

バイト先に会いに来てくれてありがとう

秘密を教えてくれてありがとう

あの時、嫌わないでくれてありがとう

遠くから会いに来てくれてありがとう

病んでも嫌わないでくれてありがとう

応援してくれてありがとう

迷惑かけたのにすぐ離れずにいてくれてありがとう

生きてて欲しいと言ってくれてありがとう

最後まで優しくしてくれてありがとう

一緒にいてくれてありがとう

 

 

誕生日祝えなくてごめんね

本当はおめでとうって言いたかったよ

心の中で何度もおめでとうって言ってたよ

「生きていてくれたらそれで良い」

「居なくなったら俺は辛くなる」

君の最後の言葉

この言葉だけ胸に刻んで今日まで生きてきたよ

だからこれからも頑張って生きるよ

もう一緒にいないけれど

生きてるのか死んでるのか

もう君にはどうでも良いかもしれないけれど

それでも

君が言ってくれた言葉を必死に思い出して

毎日頑張るね、毎日生きるね

 

どれもこれも届かないね...

 

 

 

 

 

 

 

日々。

春来たり

桜の花弁が舞い降りて

季節の到来を彩る最中

私は考える

如何にして在るべきかと

 

 

先日休学届けを出してきた

連続で休学できるのは二年までという規則の為

休めるのは今年まで

もっともこの一年で休めたかと聞かれれば

自信を持って休めていないと答えられる

静養とは程遠い一年であった

休む事を許してもらえなかったのだから仕方がない

しかし私は頑張ったと思う

誰も私を褒めてくれなかったけれど

必死に生きた事を認めてはもらえないけれど

頑張ったと思う

私は頑張った

また新しい一年が始まる

 

 

とは言ってもすべき事は変わらない

労働、である

まず第一に自分の生活がある

お金がなければ生活はできず死ぬしかない

第二に私には養うべき人間がいる

病人を支えることにもお金が要る

どこにも甘える余地なんてない

 

 

私の一日はとても奇妙である

朝起きる

八時から在宅の仕事なのでパソコンを開く

上司に電話をして仕事の確認をする

原稿を書いたり上司の仕事を手伝う

今では彼の補佐のような役回りになっている

仕事が終わるのが平均して夜七時頃

ここで今日も頑張ったと一息つければ良かったが

生憎私には夜の仕事がある

同伴がない日なら出勤時刻は〇時頃

出勤までの間にお風呂に入り身支度を済ませる

これが意外と大変で化粧や服選びが面倒である

全て済ませると軽食を取り薬を飲む

薬と言っても市販の咳止め錠であるし

それを八十錠あまり飲み干すのだが

別に咳が出ているわけではない

八十もの錠剤をえずきながら胃に流し込む

一時間も経たぬうちに効き目が出てくる

まずエフェドリンにより興奮状態に陥る

是を以って疲労を忘れ仕事に従事できる

体が暖かく感じられ前向きな気持ちになる

同時にコデインも効き始め鎮静作用を得る

是を以って程良い精神状態に落ち着く

とにかくこれでPTSDの症状が多少落ち着く

仕事中にフラッシュバックを起こしたのでは

何も手に着かないのだから

こうする他はない

 

ようやく出勤である

店に到着し客に着く

お酒を飲む

胃の中で錠剤とアルコールが混ざる

エフェドリンコデインとカフェインとアルコール

彼らが混ざり合う事で昼職の疲れは吹っ飛ぶ

もちろん元気の前借りでしかないのだが

夜職経験者ならわかるだろうが

時折コールや飲み曲で煽られると

否が応でもお酒を飲まなければならない

最悪なのは沢山飲んだことで訪れる限界と

薬の副作用の現れる時期が概ね一緒であること

まろやかな吐き気がずっと続く

 

朝方七時頃に私の仕事が終わる

しかし私に休む時間はない

家に帰ってすぐ仕事があるからだ

遅くとも八時過ぎには仕事に取り掛かる必要がある

既に私の体は疲弊しているが問題はない

追い薬として四十錠ほど飲むとまた元気になる

そしてまた仕事が終わり夜の仕事...と繰り返す

もちろん毎日夜職があるわけではないので

仕事が終わって夜職がない日には睡眠を確保する

大抵そういう日は残業を頼まれるのだが

 

 

 

このような「日々」はいつまで続くのか

私は最後のブログで幸せになりたいと書いたが

正直幸せとは程遠い生活だ

年が明けて早々どん底に突き落とされて

何とか耐え抜き這い上がったものだが

頑張っても頑張っても頑張っても

何も見えてこない

寧ろ失ってばかりだ

覚醒剤の原料であるエフェドリンの作用だろうか

覚醒剤常用者で歯が溶けてボロボロの人がいること

知っているだろうか

エフェドリンもまたそういう副作用があるようで

近頃歯痛が酷い

叫びたくなるような頭痛も頻回に起こる

毎日胃に大量の錠剤とアルコールを流し込む為

胃痛も日増しに激化している

慢性的な吐き気とはお友達だ

頑張っているのにどうしてなのだろう

私は身を粉にして頑張っているよ

どうして報われないのだろうって

毎日神様に聞いている

 

しかし結局は自分の問題だ

頑張るか死ぬか

それしかない

逃げ場はない

甘えは許されない

誰にも頼ってはいけない

全ての困難をひとりで乗り越えなければならない

為さなければならないことは

何があろうと為さなければならない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも少しだけ

誰かに甘えてみたかった。

今年。

寒い。

なぜこんなに寒いんだ。

暖房の効いた部屋に入る際は一礼を忘れない。

 

 

今年も終わるというのに

私の人生の中でまた色々起きてしまった

 

10月から桜木町のミックスバーで働き始めた

これでトリプルワークになった

雇われる際に店の代表から話があった

私を男と女、どちらで扱うかという内容だ

ミックスバーという業務形態なので

ガールズとボーイズで出勤時間が分かれている

結局代表にガールズの時間に出勤するよう言われた

 

バーで働く時に性別をとにかく間違えられる

今に始まったことではないのだが

そもそも私は性別に無頓着なので

どうでも良いのだが世間はそうではないらしい

自分の性別を伝えると様々な反応がある

残念がる人、興味を示す人...

どちらにせよ好奇の目で見られるわけなので

あまり気分は良くない

しかし先輩達が好きだし夜職に向いているので

あまり辞めようとは思わない

何とかやっていけそうだ

 

 

11月29日

私は今年3度目の過量服薬による自殺未遂をした

抗うつ薬睡眠薬ブロンなど計210錠を服用した

直後私は意識を失った

電話と警察官の怒声で目が覚めた

20時間は経ったのだろうか

その後また意識を失い

気づけば病院のベッド

検査のためにピアスを外して欲しい

そう言われた事だけ覚えている

他にも騒動を起こして警察沙汰になり

結局不動産屋に家から追い出される形となった

 

 

 

今年は色々あった

1月9日の自殺未遂に始まり

友人に裏切られ

親友に見捨てられ

居場所だった空間も奪われ

援助交際を始め酷い目に遭い

PTSD専門医に治療は行えないと告げられ

主治医にはもう面倒は見切れないと言われ

他の病院に追いやられ

強制退去となり帰る家まで失いかけた

社会の全てから見放された、そんな気がした

ほとんど全て失った

 

 

 

私が今怯える事、それは孤立だ

あるいは疎外と言っても差し支えない

死よりも恐いもの

なので私は何度も死を選んだ

大事な人も友人も全て消えた

周りには誰一人いない

頼れる人も連絡を取る人もご飯を食べる人も

誰一人いない

自分を必要としてくれる人さえいない

そして生きている事が虚しくなっていく

孤独に耐えること

それがしようのないほど苦しい

やり場のない感情を抱えて生き続けること

それはとても難しい

 

今年も残り少ない

せめて最後くらい幸せな思いで終わりたい

来年は幸せになれるように頑張りたい

 

 

寂寥

「孤独は山にはなく、むしろ町にある 

一人の人間にあるのではなく

大勢の人間の『間』にある」

 

ある哲学者の言葉だ

孤独は一人のみで存在し得ないというのは

とても面白い考えだ

「孤」の正体は何であろう

 

 

ある定義に沿って話すなら

私は「疎外」という状態に在るだろう

これは社会的に人々から避けられている

という意味である

家族、恋人、友人から始まる

かつて親しかった人々は

みんなもう私のそばにいない

次々と人々から見限られた

原因は把握している

私の病気に関することだ

彼らには荷が重過ぎた

誰だってそう感じただろう

全て私が悪いとすればとても楽だ

あるいは価値主義的な観点から

助けの手を差し伸べるほどの価値が

私にはなかったからなのかも知れない

 

 

 

哲学者の言う通りだ

他者の存在によって

私は疎外感を抱いている

寂寥の思いでいっぱいだ

人々が誰かと笑い合う様子を見ると心が痛い

私も誰かと笑い合いたかった

誰かと幸せになれたはずなのに

夢物語で終わってしまった

人間はみな寂しさを感じるものだ

家族や友人がいたとしても

ある「一定の水準」まではみな孤立を味わう

時に人を失うこともある

だけどそうしてまた立ち上がれるのは

必ずそこに他の誰かがいるからだ

人間が本当にダメになる時というのは

「一定の水準」を超えた時

即ち最後の一人を失う時だ

私はもうダメになってしまった

どうすることもできなかった

一人、また一人と去っていくのを

私はただ見ているしかなかった

黙って去っていく者もいれば

「ごめんだけど、もう付き合いきれない」

「自分には助けられない」

「そんなに死にたいならもう止めない」

そう言って去っていく者もいた

「嫌だよ」「寂しいよ」「助けて」

「おいていかないで」「一人にしないで」

言いたかった言葉を全て飲み込んだ

「わかった 今までありがとう」としか言えなかった

きっと私の存在がいけなかった

 

 

今日私が死んでも誰も気づかない

問題は今日死ぬかどうかだ

今どうするべきか考えなくては

疎外されてまで生きるべきか

病に苦しんでまで生きるべきか

そこまでの答えを哲学者は教えてはくれない

 

 

 

 

"The worst part of the hell is not the flames it's the hopelessness and I think that is the part of hell that a person in depression really tastes"ー

「地獄の何が最悪かと言えば、それは身を焼き尽くす炎ではなくて、希望のないことだ。そしてそれこそが意気消沈しきった人が味わう地獄である」

-Faces of Depression 1959 Psychiatric Interviews 

 

 

 

12 stonesよりWorld so coldの和訳

 

 

 

It starts with pain
Followed by hate
Fueled by the endless questions no one can answer
A stain covers your heart, and tears you apart
Just like a sleeping cantor

I don't believe men are born to be killers
I don't believe the world can't be saved
How did you get here and when did it start
An innocent child with a thorn in his heart

 

<和訳>

最初は痛みから始まる

次に憎しみがやって来て

誰も答えられない不毛な問題に感情が爆発する

心を覆い隠し、体を八つ裂きにする後悔は

まるで見えない腫瘍みたいだ

人々は殺し合う運命にあるのだろうか

本当にこの世界は救えないのだろうか

どうしてこんな事に、いつからこんな事に

傷を心に抱えた無垢な子よ

 

[Chorus]
What kind of world do we live in
Where love is divided by hate
Losing control of our feeling
We all must be dreaming his life away
In a world so cold

 

<和訳>

俺達はなんて世界に生きているのだろうか

憎しみに愛が引き裂かれ

人々は感情まかせ

俺達はみな罪を背負って夢うつつに生きている

この冷たい世界で

 

Are you sane
Where is the shame
A moment of time passes by
You cannot rewind

Who's to blame
When did it start
Is there a cure for your sickness
Have you no heart

I don't believe men are born to be killers
I don't believe the world can't be saved
How did you get here and when did it start
An innocent child with a thorn in his heart

 

<和訳>
正気とは思えない

恥を知らないのか

時が過ぎ去る瞬間

誰もそれを巻き戻すことなどできない

一体誰のせいなのだろう

いつからこんな事になってしまった

この狂気に治療薬なんてないのだろうか

痛む心もないのか

人々は殺し合う運命にあるのだろうか

本当にこの世界は救えないのだろうか

どうしてこんな事に、いつからこんな事に

傷を心に抱えた無垢な子よ

 

[Chorus]

What kind of world do we live in
Where love is divided by hate
Losing control of our feeling
We all must be dreaming his life away
What kind of world do we live in 

Where love is divided by hate

Selling our souls for no reason

We all must be dreaming his life away

in a world so cold

 

<和訳>

俺達はなんて世界に生きているのだろうか

憎しみに愛が引き裂かれ

人々は感情まかせ

俺達はみな罪を背負って夢うつつに生きている

俺達はなんて世界に生きているのだろうか

憎しみに愛が引き裂かれ

人々は訳もなく魂を売り渡す

俺達はみな罪を背負って夢うつつに生きている

この冷たい世界で

 

There's a sickness inside you that wants to escape
It's a feeling you get when you can't find your way
So how many times must you fall to your knees
Never, Never, Never, Never, Never do this again

It starts with pain (with pain)
Followed by hate (followed by hate)

I don't believe men are born to be killers
I don't believe the world can't be saved

 

<和訳>

何かを変えたいという気持ちは人々のうちに

それは迷える者達がみな通る道だ

さあ後何度崩れ落ちて膝をつけば気が済むのか

もう二度と こんなことはもうやめよう

最初は痛みから始まる

次に憎しみがやって来るんだ

俺達は殺し合うために生まれてきたんじゃない

この世界はきっと救えるはずだ

 

What kind of world do we live in
Where love is divided by hate
Losing control of our feeling
We're dreaming his life away

What kind of world do we live in
Where love is divided by hate
Selling our souls for no reason
We all must be dreaming his life away
In a world so cold, in a world so cold

 

<和訳>

俺達はなんて世界に生きているのだろうか

憎しみに愛が引き裂かれ

人々は感情まかせ

俺達は罪を背負い夢うつつに生きる

俺達はなんて世界に生きているのだろうか

憎しみに愛が引き裂かれ

人々は訳もなく魂を売り渡す

俺達はみな罪を背負って夢うつつに生きている

この冷たい世界で この冷たい世界の中で

 

 

 

 

この曲は、一説によれば元々殺人鬼の心情を

表した曲らしい

しかし、段々とテイストが変わり

現状の世界を嘆いた曲になったと言う

私はこの曲に一種の宗教観を感じた

A stainとは何か?

An innocent childとは誰か?

A thornとは何か?

His lifeとは誰の人生を指すのか?

これらが謎で、単に訳すのは不可能だった

そこで

A stain→汚点→我々の犯した罪やそれを悔やむ気持

An innocent child→罪のない子→イエス(?)

A thorn→(子がイエスを指すなら)傷→イエスの傷といえば磔のこと

His life→(上の前提が全て正しければ)イエスの人生→罪を背負って生きる人生のこと

とすれば私の中では端然と収まった

 

何れにせよ、私はこの曲が大好きだ

私の見ている世界は希望に満ちているより

寧ろ歌詞にあるような、冷たい世界だからだ

誰かが最初に痛みを感じる

その理不尽さに憎しみを覚える

愛は打ち砕かれ

憎しみは至る所に蔓延る

それは人の心を蝕んでいき

人々は啀み合うようになった

きっと誰が悪いわけでもない

でも本当にこの世界を変えることはできないのか

そもそもどうしてこんな世界になってしまったのか

後悔しても全てが遅い

でも本当にそうだろうか

このような心情は誰もが一度は抱いたことだろう

絶望を唄うようで、本当は希望を語る曲なのだ