限界

私はもう限界らしい

何もかもうまく行かなかった

残されたチャンスも少なくなってきた

私が何を上手くできなかったか

私に何の興味もないあなた達は知らないだろう

私が大切に思っていた人々にとって

私は何でもなかったことを知った

だから君達もまた

私が何に苦しんでいたか知らないままだ

本当は誰も何も知らない

誰にも理解されなかっただけだ

誰も余裕がない

誰もがつらい

だから皆誰かに寄り添い合うのだが

私だけは輪に入れなかったな

誰も寄り添ってくれなかったように思う

仕方のないことだ

この世は除け者を必要としている

除け者がいなくなればまた次の除け者を探し

同じところをぐるぐると回る

今回は私だった

それももう終わる

さて、次は誰の番かな

 

 

 

くだらないもの

1ヶ月ほど前
全く瑣末な事から
実父と会うことになった

互いの連絡先を知っていたので
それで連絡をし合い
会う場所や日時を取り決めた

彼は仕事が忙しい
会うのは真夜中の個人経営の焼肉店
連絡を取り合って2日後だった

会うのは何年ぶりだろう
緊張しながらそう想いを馳せて
私はそこへ向かった

遂に会った
相変わらず話の入り口は
私が母に似ていることだった

髪が伸びてボブくらいの長さがあるから
若い時の母さんそっくりだな
と彼は笑った

造作ない
限りなく平易な話をお互いにした後で
私は少し重い話をし始めた

2、3番目の里親のこと
レイプされたことや援交していたこと
精神が不安定であること

しかし彼は全く動じなかった
或いはそうであるように振る舞った

そうして互いに十分話し合い
互いの現状を折り紙のように
1つ1つ丁寧に飲み込んでいった

そして彼は忽ちこう言った
お前とはもう家族ではない
と何かを含むように

これが意図するところは
紙面上の話であった
矢庭なことで私は驚いた

紙面上では家族ではないが
私達は確かに親子だから
いつでも頼って来なさいということだった

私はこの人を信じ切ってはいないので
当然こんな言葉など
腐る程聞いたわと鵜呑みにしなかった



しかし全くわからないものだ
紙切れで簡単に終わる家族
それは一体なんだ

もう私達は
社会に家族とは認められない
認めてもらう証拠を失っているのだ

そこには
間主観性しかないのだろう
これは世にも悲しいことだ

母と父はもう家族ではなく
互いに違う家庭を持っているらしい
私には現状を知る術も帰る場所もない

否、どこにもいたくないのかも知れない
紙切れで家族が生成したり消滅したり
こんなくだらないところなのだ

誰かが書いた色んな紙切れのせいで
私は何度も家族を変えられた
一切の了承も得ずにそれは行われた

私の意思とは関係なく
凡ゆる私に関することが
他の誰かによって決められる

それは往々にして
社会という強大な存在の元で約束され
権力の前に私は為す術を失くす

社会的に家族とは見なされない
そんな関係であっても
時に連帯責任を負わされる

全て紙のせいだろう
いつからだ
こんな馬鹿げた制度があるのは

しかし面白くもあるものだ
その紙で
幸せになる人も不幸になる人もいるのだ

私は不幸か
今では帰属意識さえ存在しない
家族というものがわからない

地に足ついた関係
これをどれほど望んだだろう
ニセモノは嫌なのだ

しかし身も蓋もないがどうでもいいことだ
私は常にふらふらしている
それで良いではないか

僅少な心情変化に突き動かされて
あっちへ行ってこっちへ行って
今日はこの人明日はあの人

全く愉快である
今が良ければ世は事もなし
天下太平である


この世は紙の話ばかりだが
己の人生を紙で縛られてはならんのだ
そんな気がするのだ、藍緋

傷と健忘

人は
彼が本当に人であるならば
心に嘆き悲しむ秘密の囚人を抱えている

例えばあなたの友達
同じ部屋で授業を受ける知らない人
たまに見かける綺麗なお姉さんやお兄さん

彼らはみな人であり
人であるからこそまさにその何かを抱えて
なおも毎日平常に振舞っている

私も同じだ
私は人で心の囚人が泣いている
私は生きている人なのだ

私には怖いことがたくさんある
例えば孤独
これは一筋縄でいかないタチの悪さを持つ

これは時に実存から剥離して独り歩きする
周りに人がいてもこれを感じる矛盾
要因の実存よりも経験が先立つためだ

人の存在はさして関係ないのだ
寧ろ過去の見捨てられた経験にこそ
その真価は悪しく働く

精神的に疲れている時
普段は秘密の囚人が対峙している過去が
感情の表層に現れる

そこで初めて寂しさや孤独を感じていると
自身は気づき悟る
次にはそれに苦しめられる

このようなネガティブな出来事は
まるで隣町に住んでいるかのように
私の心に足繁く通い影響を与える

他にも怖いことがある
大きな音、怒声、人が多い場所、人前
性行為、男性、力、枚挙に暇がない

俗に言うトラウマを沢山かかえた
とてもとても面倒な人間である
全く双なきほどである

私にはとある大きく
それはたいそう醜悪で下劣でおぞましい
過去がある

平たく言えば性行為関連なのであるが
それにより男性恐怖症になった
今は秘密の囚人が守ってくれている

きっかけはそのとある過去なのだが
原因はさらに昔にあった
様々なことも含まれる

従兄弟、友達、友達
戸籍上は男なのだが...
本当に運がなかったのだろうか

明らかには述べないが
慕っていた男友達に大変酷いことを
数時間にわたって行われたのだ

一にも二にも思うことは無限にあって
まとめ上げることは至難の技
私には荷が重すぎた

私はとても愚かなので
何かが起きても動揺したまま
本当に何もせず日常を過ごそうとする

愚かながら冷静な分析が好きなのだが
今とても精神が不安定なのはそうした
動揺の積りが原因なのだと思う

否、私は愚かではなかったのかもしれない
そうするしかなかったのだ
私は噤まざるを得なかったのだ

それが起こったのは高校2年の冬だが
健忘の期間を含めた3年の時を経て
今とても苦しい想いをしている

振り返れば悔しさと怒りと羞恥ばかり
何故このような目に合わなければ?
何もできなかった...

相手は180cmほどの大男
大して私は165cmほどのひ弱な少年
力の差は歴然だった

彼は前から後ろから
私の意識が朦朧とし動けなくなるまで
何度も首を絞めた

暴れるので殴られた
段々意識が遠のいて行く
暴れられなくなった

体を押さえつけられて
意識は混濁
何も考えられなかった

ただ恐怖しかなかった
空気を吸って少し意識が回復しても
私は動けなかった

苦しい、痛い、息ができない
酷いよやめてやめてやめて怖い怖い怖い
痛い死んじゃう!

これの繰り返しだった気がする
涙と唾液と血液と体液でぐしゃぐしゃ
気づけば夜だった

放心状態だった私を
心配して起こしてくれたのだ
時間をかけて優しく

私は忽ち混乱したためあまり覚えてないが
彼が抱きしめてくれたのは覚えている
ひたすら耳元でごめん、と

こうして私という個を完全に否定され
そこに人権も囚人もなく
私は欲と優しさで身体を弄ばれたのだ

これは即ち最高の屈辱である
凡ゆる感情で空は紅蓮に染まった
気が狂った

これにより私は自分を安売りし始め
染められた色を確認しながら体に何度も
均等に染み込ませていった

そうすることでこれを私の一部とし
全てを掌握した気になれたのだ
これしか方法を知らなかった

しかし僕のような醜いやつとして
えらく快楽を得て支配欲を滾らせた
男達が耳元で喘ぐ声は何よりも不快だった

この一連の出来事が一年以内に行われ
センター試験が始まる1ヶ月前まで
恐ろしく活発に続いたのだ

しかし問題はもっと単純だろう
男友達から暴行を受けたこと
好きで慕っていた大好きだった

こんな裏切りがこの世にあるだろうか?
聞けば強姦事件の加害者と被害者が
互いに知人であることはよくあるらしいが

私はこのように裏切られた後で
誠実な謝罪を受け
その人を許してしまった

きっと秘密の囚人は異を唱えてくれていた
だが私はそれを無視して
関係はずるずると長引いた

結局囚人か何かに突き動かされて
私が逃げ出す形で
この件は表の舞台から姿を消した

私はつくづく間が抜けている
もう後悔しかない
しかしやり直すことはできない

時折彼を求める声がする
最早病的だろうか
彼が恋しいとさえ思うのかもしれない

これはストックホルム症候群だろうか
彼が憎いのだが恋しい気もするなんて
常軌を逸している

しかし彼はとても良い人だった
私はそんな彼との思い出を否定したくない
従ってまた自分を責めるのだ

自分のどこが至らなかったなんて
わかるはずもないのに
私が悪かったごめんね、ごめんね、と

私は誰もこの苦しみを理解しないと考える
それで良いのだ
これは私が一生抱えるべき苦しみ

きっとすべて私がいけなかった
そう思うととても楽だ
でも本当にそうなの?

やはり孤独に感じる
私は悲しい
私は不安で仕方がない

私はこの先も私が悪いと言い続けるのか
私は何故苦しむのか
人はなぜ私を傷つけるのか


この出来事を思い出した大学2年秋頃
私は何を思い出しているのか
全くわからなかった

事実を認識し
起こったことしたこと全てを
整理し終えたのは年が終わる少し前だった

年が明けてすぐ
私は友達に打ち明けてみた
彼は驚いた

しかし過去に起こったことは関係ない
なし君はなし君だよと言ってくれた
実は度々思い出しては救われている

その後何人かに打ち明けた
この半年の間に
少しは楽になるものだと驚いた

私は過去の呪縛に囚われ
また同じことを
ネットで知り合った男と寝ようともした

別の友人が止めてくれなければ
もしかするとまた
あの暗黒に回帰していたかもしれない

私がしばしば悪夢で魘されるのは
このせいなのである
毎度毎度心にくる

今はこういった自分を
少しでも受け入れられるよう
努力している

それしかできないし
憎むだけではいけないのだろうから
私は成長したのだろうか

言語学の発表を終えて...

久しぶりにブログを書いている

また色々起きたのでブログの気分なのだ

人生はいつも何か起こるので飽きないね

 

今日はとても大きな出来事があった

数ヶ月努力して遂に完成させたもの

言語学の原稿を発表することができた

 

先生にはよく勉強していることが伝わり

テーマや目の付け所が非常に奥深く

膨大な量をよく纏め上げたと褒められた

 

その一方で

量が多すぎて発表には向かないこと

もう少し要約しようと助言された

 

発表時間が20分であり

半分も発表することは不可能なことを

知っていたのでその助言は少し痛かった

 

しかし、とにかく悪くは言われなかった

これが一番素晴らしいのだ

心が弱い私にとって何よりの収穫である

 

なぜならば

原稿作成は私を酷く悩ませた

生活に大きく影響を与えたからである

 

今年の1月に2年後期分の発表があった

しかし準備が間に合わず

これを断念した

 

その時私は不甲斐なさや自身の至らなさを思い知り、そして早くから準備をしていたが間に合わなかったことを恥じた

 

また努力を周りに知られることなく

ただ終わらなかったとされることや教授から失望されることが耐えられなかった

 

もちろん失望などされていなかったが

当時の私は他のことで心が乱され

正常ではなかった

 

自殺してしまいたいと

否、すべきであると思い実行に移す

その手前までに落ちぶれていた

 

ので、今回発表できたことはまた

過去の自分の努力を褒め称えること

でもあるのだ

 

 

発表のテーマを述べてみよう

英語とドイツ語に関する定冠詞の分布

である

 

出発地点はとても素朴であった

同じ表現でもドイツ語には冠詞がつき

英語には冠詞がつかない名詞が存在する

 

例えばgo to schoolとzur Schule gehen

がそうで意味は<学校へ行く>である

これはschoolが施設名詞だから起こる

 

もちろん先の英文に冠詞を付加して

go to the schoolということも可能だ

しかしそれは範疇の概念上非文となる

 

文法上は可能であるが

それはもはや単に学校へ行くのではなく

何か特別な指示された学校を意味する

 

go to schoolという表現は特別であってはならない

ただ学校へ通う、それだけなのだ

 

同じく前置詞句の縮約を行わず

zu der Schule gehenは可能であるが

この際も先よりも特別性を含意する

 

すなわち施設名詞に関して

英語の冠詞の有無はちょうど

ドイツ語の定冠詞の縮約にあたるのだ

 

他にも面白い概念がある

「弱い定」と呼ばれるものだ

例は次の通り

 

Have you already read the news paper today?意味は<今日はもう新聞を読んだ?>である

 

これが面白いのだ

なぜなら定冠詞theが付加されているが

そこに任意性を多分に含むからである

 

つまり、どの会社の新聞でも良いのだ

朝日新聞The New York Times

die Süddeutscheでも関係がない

 

統語論的には明らかに文は定である

恰も<その新聞>を指していると感じる

しかし意味論上では不定なのだ

 

その証拠にHave you already read a newspaper today?と不定冠詞に変えても意味の違いはさほど感じられない

 

ドイツ語の場合はどうであるか?

Hast du heute schon die Zeitung gelesen?で先と同じ意味である

定冠詞dieが付加されている

 

しかし<読む>という動詞lesenを

自動詞としてin~ lesenとして見ると

面白いことが起こる

 

Hast du heute schon in der Zeitung gelesen?見てくれは似ているが前置詞句内の定冠詞の縮約を行なっていない

 

こう言うと、かなり特別な意味になる

つまり<あの新聞を>というニュアンス

を含むのだ

 

これらが弱い定と呼ばれるもの

統語論的に定で意味論的に不定

何とも興味深いではないか

 

これらの他にも普通名詞と固有名詞

総称名詞、一意名詞、抽象性、グループ名詞、形容詞+固有名詞構造などがある

 

そして私は重要なある性質に出会う

英語は無冠詞の名詞により寛容である

つまりドイツ語は定冠詞をより付加する

 

定冠詞の分布の問題は次に帰着する

即ち普通名詞と固有名詞の境界線

である

 

そして今日ではこの明確な境界線は

未だ見つかっておらず恐らく

見つけることは不可能である

 

しかし、先の性質は非常に有用である

私の調査の理論的な裏付けを取るから

そのことに尽きる

 

私の調査とはベオウルフという

最古の英詩を用いたもので2言語に加え

古英語の定冠詞の出現頻度を見る

 

これは私の仮説によるものである

まずドイツ語の冠詞は英語のそれと違い、文法性と格の機能負担を持つ

 

よってその分冠詞の文法負担が上がり

ドイツ語では冠詞が文中で必要となる

というものである

 

膨大なページ数であったので

自分で節を決め定冠詞を数え上げるのだ

しかし古英語でこれは容易でなかった

 

古英語は指示代名詞から定冠詞を

作るため両者の見分けがつきにくいのだ

加えて語順が滅茶苦茶であった

 

しかし調査の結果

ドイツ語が一番定冠詞の出現頻度が高く

古英語が最低となった

 

古英語の名詞の文法性はランダムだ

ロシア語のように見分ける術が殆どない

この点はドイツ語と同じである

 

また格は屈折語尾を付加して示す

<家>という意味のhūsについて<家に>

は格語尾-eがつきhūseとなる

 

面白いことに殆どの場合主/対格は一致

例えば、Ic cwielme mīnan frēond(I kill my friend)とMīn frēond cwielmþ mē(My friend kills me)

 

frēond(friend)は主/対格で形が一致する

これは男性名詞であるが女性名詞でも中性名詞でも原則一致する

 

しかしその他の格は語尾を付加する

よって定冠詞が無くても格がわかる

現代ドイツ語では事情が異なる

 

単数男性/中性名詞属格語尾-es

複数男性/中性名詞与格語尾-(e)n

以外は格語尾は消滅している

 

よって格を識別するには冠詞と語順

これらのみに依存する

しかし冠詞がないと問題が起こる

 

V2語順というルールがあるために

前後の名詞の格関係が明らかにならない

Anna tötet Schmidtがいい例である

 

Annaが殺したのかSchmidtが殺したのか

英語では主語が原則前に置かれるので

この心配はない

 

このような事情のため冠詞が不可欠

だろうという仮説を私は立てた

論理的な証明ができるかは不明である

 

今後の方針で私は古高ドイツ語に

興味があると述べた

これもまた趣深い言語なのだ

 

私には他にも数学や物理など

学びたいことがあるので、あれこれするのは厳しいことを確かに自覚している

 

しかしこれはまた将来に関わる

重要な足場作りでもあるために

取捨選択は慎重に行わねばならない

 

加えて、私は精神が弱い

特にここ最近はめっきり弱くなり

廃人になりそうな勢いをも含んでいる

 

人生に対する茫漠とした不安感

上手く行かなかった末を考えた際の

荒波の如く押し寄せる絶望感

 

私はすべてすべてに命をかけている

この絶えてしまいそうな炎を

絶やさないように必死なのである

 

 

 

 

 

 

 

 

電磁気ゼミ/その他雑多なこと

【ゼミについて】

先日、GWに入る前に第一回電磁気ゼミを晴れて行うことができた。

色々悩み、初回は数学の話をした。ベクトル解析が主だった。

話した内容はざっくりとこんな感じだ。

 

方向微分と勾配ベクトル場:ベクトルxの関数f(x)の単位ベクトルv方向への微分はdf(x)/dv=f(x+tv)-f(x)/t (t→0)である。

これを単純な計算によりdf(x)/dv=df(x+tv)/dt と表し、これが最小をとる時、単位ベクトルvは-(∂f/∂x,∂f/∂y)と同じ方向を向き、その時の値は-√(∂f/∂x)^2+(∂f/∂y)^2となることを示した。

 

ベクトル場の発散:領域内に電場E=(E_x,E_y,E_z)が存在し、そこに一辺がそれぞれδx,δy,δzの直方体を考え、ここから平行な二つの面(z軸に垂直な面とした)に着目し、床と天井から出て行く電気力線の本数を∫[x~x+δx]dx∫[y~y+δy]dy{E_z(x,y,z+δz)-E_z(x,y,z)}として、これが{E_z(x,y,z+δz)-Ez(x,y,z)}δxδyとできること、解析学的にどういう近似をしているのかを見た。そしてこれらがz方向の湧き出しを表していること、それらの値の正負が物理的なイメージとどう結びついているかを見た。

 

ベクトル場の回転とモーメント:R^2にある、点(x,y)に固定された軸点を持つ、そこからx軸、y軸方向にそれぞれ幅2δの羽根を持った風車を考え、それがベクトル場V=(V_1,V_2)を空気の流れとした時にどれくらいの勢いを受けるかを考えた。その時に、明らかに回転運動を始めることから力学的なモーメントを考え、それらを足し合わせ、テイラー展開による近似を行うと総和は2(∂V_2/∂x-∂V_1/∂y)δ^2となり、rotVに比例する量が現れることを示した。

 

回転が0と保存力場:保存力場とは、仕事が経路によらないような場のことを言う。

閉経路をCとし、ベクトル場をV、曲線のパラメータをベクトルlとした時には、∮[C]V・dl=0と表せることを言う。

先の風車の例をそのまま適用すると、閉曲線を考え、受ける仕事を計算すると2(∂V_2/∂x-∂V_1/∂y)δ^2となり、保存力場であるならば、任意のδに対して括弧の中ーrotV=0となるべきであろう。

ここで一般に次のことが言える。

rotV=0⇒領域Ωに含まれる任意の経路l:[a,b]→Ωに沿ったVの積分∫[a~b]V(l(t))・dlは端点l(a)、l(b)のみによる。

更にこれは周期T(つまりl(t+T)=l(t)となる)を用いて∫[0~T]V・dl=0と同値である。

これを示した直後にこれが成り立つのは領域Ωが単連結である場合のみであることを示した。例として、パラメータlの像Lが囲む有界領域Dを考えると、平面上のグリーンの定理:∫[L]V・dl=∫[D]rotVdxdyとなるが、領域Dにベクトル場Vが定義されない点があった場合には成り立たない(つまり領域Ωが単連結でないということ)ことをあげた。

 

ここで時間が来たので解散となった。

一、二年生三人と四年生一人を交えての回だったためかなり標準的な話に絞った。

本当はpdfに纏めたいのだが、悲しいことによく使い方がわからないので使っていない。

 

【雑多なことについて】

雑多というほど多くの種類のことを語るつもりはないが気に入ってるので使っている。ただ一つ二つ話そうと思う。

 

ぼくには一応の、漠然とした目標がある。それは端的に言えば研究がしたいというものなのだが、根底にあるのは学ぶこと、知ること、理解することが心底楽しいという感情である。

けれど、これはあまりに茫洋とした動機なのではないかと最近思う。より正確に、生々しく言えばそのように思わされているのである。周囲を見ると、みな将来にしっかりと繋がる何かを掴もうとしている。就職活動などがそうである。

それに比べてぼくは先に言ったような、ある意味では地に足をつけていない、広大無辺な目標を日々追い求めて、比較的自由に学び勉めている。何も悪いことばかりではなく、その目標の為には先ず大学院入試に受からなければならないという目先の、明瞭な目標はある。だがここには次のような疑問が生じ、忽ちふらついた展望に変わる。すなわちそもそも文学部所属の自分が理学部の院に受かりしっかり必要なことをこなしていけるのか、という疑問である。受験資格があるとは聞いたし調べたが、自分を信じていないのでやはり不安なのだ。

 

更にぼくの自由で明るい勉学という空を暗い雲で覆い隠そうとするものがある。

それは能力である。とにかく自分に自信がない。そしてこれは物理学や数学に限ったことではないのだ。例えば語学力。大学一年まではとにかく自分の語学力に自信があった。中学と高校でかなり多くの、様々な国の外国人と知り合い、友達となった。恋仲になった人もいる。

ぼくはそこで主に英語とロシア語を使った。ドイツ語も使う機会があったがドイツ人は英語が上手いので彼らとは特別な事情があるとき以外は専ら英語で会話した。殆ど何不自由なく円滑にコミュニケーションを取り、何より英語やロシア語に訛りが全然ないことに驚かれた。自分の耳が良いことを心から誇った。

大学一年は教養の英語と二外としてロシア語を取った。提出物を出さなかったためとある英語の授業の評価は低かったが、それ以外は全て秀であった。同年の秋にTOEICを受けて、言い訳として事情により集中できなくなりリーディングの最後の十数問はあてつけで書いたのだが、それでも何も勉強せずに中々の高得点を出せた。

けれど、それほどに自信のあった語学力に最近自信がなくなってしまった。

というのもネットには僕よりも沢山の言語知識があり、中には僕よりも段違いで能力の高いポリグロットも存在する。

そして何より、僕は自分の語学力を何より自分のために使い、評価されることに費やすことなどしなかったのだ。故にそういった人達が周りから評価される中、学校のごく一部の先生からしか評価されてこなかった自分に最近気づき、何がなしに虚無を覚えた。それは評価されたかったということを意味しない。寧ろ僕の努力全てが、どういう目的で行われたかに関係なく、否定されているように感じることを意味する。

 

能力の高そうな人を見ると萎縮してしまい自信喪失に陥る。心当たりがある人もいるだろう。僕はずっとずっとこれに陥っている。他の悩み事と重なり、深い鬱になってしまうと好きなはずの勉学もままならなくなる。数週間何もしない日が続く時もある。このままではいけない。這い上がらなければならない。この暗く冷たい洞窟から早く抜け出し、明るく希望に満ちた空へ駆け出していきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

人/僕の世界

人といると楽しい

今日も友人とご飯を食べ

ドライブに行きワイワイ談笑した

 

かかる時の間

僕は人といるのが好きなのだと

地に足つけて思うのだ

 

しかし次の瞬間

僕の中にある重大な思想が渦巻き

しまいには先と逆に考える

 

つまり人といるのは嫌だと

それは窮屈で不快だと

そう思うようになる

 

僕は崖の縁で密かに咲く醜き花

それが望む世界は淡くはかなく

色のない空のよう

 

言うまでもなくそこは

誰にも近寄り難し

故にただ孤独あるのみ

 

だが最近はそうでもないと感じる

少しばかり人が訪れるのだ

孤独がその地を去ることを望めはせぬが

 

僕は人のことを信じることができない

良心を持って近寄る人であればあるほど

たちまち追い払ってしまう

 

人は言う

それは悪いことだ、と

僕にはよくわからない

 

なぜなら彼らの本心が

真に良心に根付くものか

計り知ることなど不可能だからである

 

かく稜ありき思想は

ぼくの行動を支配し

時に人を傷つけるらしい

 

だがそれは何も彼らに悪口を言うなど

そんな生易しいものではない

不幸にも

 

たとえるならそれは

儚げに咲く花に純粋な優しさで触れ

結果として散らせてしまうような罪悪感

 

あるいは水をやれどやれど

美しく咲かぬ花への絶望感

僕はそれを彼らに与える

 

そんな僕が作り出す世界にも

幸か不幸か関わり続ける人達がいる

全く不思議でならない

 

悪しきはそんな彼らに対し

どこかで嘲笑する自分がいること

その限りだ

 

一方で一人では抱えきれぬほどの

多大なる感謝の念もまた抱いている

彼らは本当に素晴らしい

 

僕はきっと彼らがいないとダメなのだ

とても愛しているのだ

だが抱いてはいけない感情もまたうちに

 

それは漆黒に染まった醜悪な嫉妬心

こんな僕を見てくれるならば

いっそ僕だけ見ていてくれと思うのだ

 

彼らが他の者へ関心を向け

僕にするのと同じように接すれば

たちまち僕の心は血で染まる

 

心から血が出るのだ

それは途方もない痛みを伴って

息などできるものか

 

今度は体が血に染まる

そうして寂しき崖に咲く醜き花は

赤色に染まって萎れてしまうのだ

 

かく罪作りな僕を純粋に愛し

簡単に萎れてしまう僕だけを見て

ただ側にいてくれる人はいるのだろうか

 

僕は先に申したかの醜悪な嫉妬心を

あるいは捨ててしまい

僕でない僕であるしかないのだろうか

 

人が僕の世界で生きていけないのならば

僕が玉の緒など絶えてしまえ

いいや 違う

 

僕は彼らが本当に良心から

僕と関わってくれているのだと

信じなければならない

 

時間はかかるであろうが

彼らに偽りの心がないならば

そういう人たちを大切にして生きたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界はいつも歪んで

これは自慢ではないが

ボクは一般的に不幸な人間である

勿論様々な意見があるだろうが

 

ボクには家族がいた

実の母と実の父

実質的に父親と思っていた男とその親

親戚にそれと何組かの里親だ

 

実父はいま割烹料理屋を営み

毎晩お偉いさんの相手をして

かなり稼いでるようだ

 

彼とは十三年ぶりに再会した

久しぶりだったがボクの顔が母に酷く似ていて

即座に分かったようだ

 

彼とはもう縁が切れている

彼にはもう別の家族がいる

仕方のない事だ

 

ボクは愛されてなかったこと

家族よりも酒や金が大事だったこと

全て知って妙に納得した

 

実質的な父は良い人だった

母がボクの面倒をほとんど見ないので

時々は見てくれていた

 

ボクは彼の母と父と暮らした

自分にとって祖父母であった彼らは

とても暖かく優しかった

 

寝たきりの祖父と共に

彼の好きな時代劇を見ながら

祖母の夕食が出来上がるのを待った

 

朧げだが

この父とはユニバに一度だけ行った記憶がある

真偽を確かめようもないが

 

なぜなら彼らはもう死んでいるから

借金が膨れ上がり彼らは死を選んだ

ぼくが8歳のときである

 

その後は母のネグレクトの為に親戚の世話になった

そこは冷たく寂しかった

末っ子の従兄弟はよくボクをいじめた

 

成長した今 異常であったと感じる

彼はボクの首を絞め

性器を何度も触らせてきたのだ

 

初めては従兄弟のゲームを借りた時だ

彼はソフトを取り上げてトイレに駆け込む

当然、ボクはそれについていく

 

パンツの中にソフトを入れた従兄弟は言う、

ゲームがしたいならここから取れよ

幼いボクには何もわからなかった

 

このようなことを男性にされたのは

これが初めてであった 後の人生で

何度か起こるなんて誰も知らない

 

けれど長男の従兄弟は優しかった

ボクのことをとても可愛がってくれた

あの時は彼が唯一の救いだった

 

そして里親である

最初の里親は地獄だった

養父は人間ではなかった

 

殴られて蹴られて階段から落とされて

骨折しすぎてどこが骨折してるのかも

把握できないくらいだった

 

未だにちゃんと治癒していない骨折箇所が

何かの拍子にズキズキと痛み出して

記憶までをも甦らせる

 

タバコの火を押し付けられてできた跡

養母の浮気をボクに責任転嫁して

包丁やカッターで切り付けられた傷跡

 

全てが記憶と共に体に刻み込まれていて

忘れるだとか、乗り越えるだとか

自分には一生かけても無理だと思う

 

と、まあ家族の話はこんな感じである。長くなるので少し省略したが、家族の話だけでも恐らく数奇だと思われるであろう。

しかし私は今幸せである。

少しだけれど、周りに大切な人達がいるからである。

私は負けたくない。

すぐ負けてしまうが私は負けたくないんだ。

歪んでしまったパーツを少しずつ元に戻す作業を怠らないようにしていきたい。

その他の過去の話はまた今度。