世界はいつも歪んで

これは自慢ではないが

ボクは一般的に不幸な人間である

勿論様々な意見があるだろうが

 

ボクには家族がいた

実の母と実の父

実質的に父親と思っていた男とその親

親戚にそれと何組かの里親だ

 

実父はいま割烹料理屋を営み

毎晩お偉いさんの相手をして

かなり稼いでるようだ

 

彼とは十三年ぶりに再会した

久しぶりだったがボクの顔が母に酷く似ていて

即座に分かったようだ

 

彼とはもう縁が切れている

彼にはもう別の家族がいる

仕方のない事だ

 

ボクは愛されてなかったこと

家族よりも酒や金が大事だったこと

全て知って妙に納得した

 

実質的な父は良い人だった

母がボクの面倒をほとんど見ないので

時々は見てくれていた

 

ボクは彼の母と父と暮らした

自分にとって祖父母であった彼らは

とても暖かく優しかった

 

寝たきりの祖父と共に

彼の好きな時代劇を見ながら

祖母の夕食が出来上がるのを待った

 

朧げだが

この父とはユニバに一度だけ行った記憶がある

真偽を確かめようもないが

 

なぜなら彼らはもう死んでいるから

借金が膨れ上がり彼らは死を選んだ

ぼくが8歳のときである

 

その後は母のネグレクトの為に親戚の世話になった

そこは冷たく寂しかった

末っ子の従兄弟はよくボクをいじめた

 

成長した今 異常であったと感じる

彼はボクの首を絞め

性器を何度も触らせてきたのだ

 

初めては従兄弟のゲームを借りた時だ

彼はソフトを取り上げてトイレに駆け込む

当然、ボクはそれについていく

 

パンツの中にソフトを入れた従兄弟は言う、

ゲームがしたいならここから取れよ

幼いボクには何もわからなかった

 

このようなことを男性にされたのは

これが初めてであった 後の人生で

何度か起こるなんて誰も知らない

 

けれど長男の従兄弟は優しかった

ボクのことをとても可愛がってくれた

あの時は彼が唯一の救いだった

 

そして里親である

最初の里親は地獄だった

養父は人間ではなかった

 

殴られて蹴られて階段から落とされて

骨折しすぎてどこが骨折してるのかも

把握できないくらいだった

 

未だにちゃんと治癒していない骨折箇所が

何かの拍子にズキズキと痛み出して

記憶までをも甦らせる

 

タバコの火を押し付けられてできた跡

養母の浮気をボクに責任転嫁して

包丁やカッターで切り付けられた傷跡

 

全てが記憶と共に体に刻み込まれていて

忘れるだとか、乗り越えるだとか

自分には一生かけても無理だと思う

 

と、まあ家族の話はこんな感じである。長くなるので少し省略したが、家族の話だけでも恐らく数奇だと思われるであろう。

しかし私は今幸せである。

少しだけれど、周りに大切な人達がいるからである。

私は負けたくない。

すぐ負けてしまうが私は負けたくないんだ。

歪んでしまったパーツを少しずつ元に戻す作業を怠らないようにしていきたい。

その他の過去の話はまた今度。