手記。

矢庭のことではあるが、私は死にたい

希死念慮という、厄介極まりないものとは

その茫洋たる様相が示すまま

全てを覆い隠さんとする勢いと

漠然かつ端然とした死への希求である

 

先日、私はまた自殺未遂を犯した

胃に収まりきらないのではないかというほどの

多量の薬をアルコールと一緒に過剰摂取した

抗うつ薬睡眠薬、ブロン

典型的な手法である

勿論、私は生き残ってしまった

私は死にたい

私を死なせてくれ

なり止まぬ鐘の音を掻き消すが如く

全てを終わりにしてくれ

私は強くこう願った

 

しかし、それは真意か?

即ち、私は本当に死にたいのだろうか

頭痛が酷い時には頭痛薬を飲む

規定の量では止まないため多めに飲む

これは多くの人に理解してもらえるだろう

私の真意は寧ろ

左様な気持ちの延長線上に存在するのではないか

即ち、私は再び悪夢を見ぬよう

過去を思い出さぬよう

死のうとしているのではないか

これは一見、当然の帰着のように思える

しかし、これはまさに重要な帰結なのだ

もし、死ぬ以外で

止まない鐘が鳴り止むのならば

私の真意は希死念慮という壇上には

一歩たりとも足を付けないだろう

 

では、その具体的な手法は何か

それは存在するのか

未だわからない

もしないのなら、私は再び死を選び続けるだろう

乾いた悲しみと共に